『清兵衛と瓢箪』~ひたすら何かに熱中するしあわせ

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古典落語の演目は、約800ネタもあるって知っていましたか。しかも、新作落語というものがあり、今でも作り続けられています。

東京の西でくもん教室を開いているすずきです。

子どものころに無茶苦茶熱中したものって何ですか。

私は、小学校低学年のころ、B4の画用紙を8枚くらいつなげて、国鉄(JRの前の呼び方)のすごろくを作ったことです。

小学校には持って行かなかったので、ここに登場する清兵衛ほどではないですが、あとにも先にもあんなに熱中したことって他にあるだろうかと思います。

『清兵衛と瓢箪 小僧の神様』は「くもんのすいせん図書」に選ばれています。

私はくもん教室を始めてから、”くもんのすいせん図書”を知り、そこに紹介されている本を、日々楽しみながら、趣味を超えたライフワークとして読んでいますよ。

面白そうな本がたくさん紹介してあって、ゆうすけが、また勉強しないで本読んじゃうわね。

「くもん教室」は、独自の教材(算数・数学、英語、国語)を使って、「自分で学ぶ力(自学自習力)」を養います。「可能性の追求」を大切にしている教室です。

「くもんのすいせん図書」は、子ども達に人気が高く、優れた内容の650冊を選りすぐって紹介したものです。詳細は、「くもんについて」をご覧ください。

小説の神様、志賀直哉

志賀直哉は、明治時代の超有名な作家さんです。「小説の神様」と言われたりもします。

同時代の作家である谷崎潤一郎は『文章読本』という書のなかで、志賀のことを、「普通の人が十行二十行を費やす内容を五行六行に壓縮(あっしゅく)する、そうして形容詞なども、最も平凡で、最も分かり易くて、最もその場に当て嵌まるもの一つだけを選ぶ」と、無茶苦茶ほめています(「簡潔な調子」で見事なお手本と言っています)。

さて、志賀直哉といえば、まずは『清兵衛と瓢箪』、それに『小僧の神様』を読んでほしいと思います。

私は本を繰り返し読むことはあまりしないのですが、この『清兵衛と瓢箪』は文庫で9ページと短いこともあって、何度も読み返しています。

それは、ショートショート(小説の中でも特に短い作品)特有の印象的な結末を味わいたいということもありますが、とにかく清兵衛の没頭する姿に憧れるからだと思います。

私の曾祖父の時代の話し

ただ、このお話しには残念な両親が登場します。教員がやってきて、それにただただ恐縮して泣き出す母親、父親に至っては、一時の感情に任せて、とんでもないことをします。

この作品が書かれたのは1913年です。大正2年ですから、両親は明治生まれですね。自分に置き換えると、私のおじいちゃんが清兵衛で、ひいおじいさんが父親となります。

私が生まれたとき、曾祖父はすでに他界していましたので、あの時代の人のことが分かりませんが、それにしても愛がなさすぎて、本当に悲しくなります。

学校の先生もそんな調子ですから、たかだか50年前に生まれていたら、自分はどうなっていたんだろうなんて想像してしまいます。

スカッとする結末だけじゃない読みどころ

最後のスカッとする結末は、さすが名手志賀直哉ですが、実はそのあと、4行あるのです!私が清兵衛を神だったのではないかと感じるところです。

集英社文庫では、たまたまそこが78ページをめくらないと出てこないので、まさか読み飛ばさないでくださいね。

同じ時代を生きているのに、教員や両親の生きる世界と、清兵衛の生きる世界は、全く相容れません。清兵衛は明らかに肩身の狭い思いをしていますが、それでも一人ぼっちではないのです。そうでなければ、あの結末にはなりません。分かる人にはその価値が分かります。結構深い話しですよね。

あなたも自分の世界で生きてみませんか。目的とか目標とか考えずに、ひたすら何かに熱中することほど幸せなことはないですね。
私のすごろくは、多分母親が大事に取ってくれていると思います。

あなたが『清兵衛と瓢箪』を読んだ後、どう感じたのか、是非聞いてみたいです。

保護者さまへ

本当にこんな時代があったのでしょうか。ここに登場する父親は、鬼という言葉では形容できないほど怖いですね。

自分の子どもが清兵衛みたいな子だったら、果たして私は、息子をどう教育するのでしょうか。明治、大正、昭和、平成、令和と時は流れ、昭和の私は、やはり昔の価値観を引きずっているところがあります。

ですから、この本を読んだ子どもたちの感想は、どうしても聞いてみたいです。多分、私の想像を超えている気がします。

ここに紹介されている、集英社文庫『清兵衛と瓢箪 小僧の神様』に収録されている13作品は、中学生であれば、すべて読めるものです(『清兵衛と瓢箪』と『小僧の神様』は、小学校高学年でも読めます)。

これは、集英社が意図的に、子どもを意識して編纂したものだと思います。

当ブログは、公文式教室を開設していた元指導者が、個人として執筆・運営しているものであり、株式会社公文教育研究会およびそのグループ会社(本部)とは一切関係ありません。

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