
色彩の魔術師と呼ばれていた画家マティス。2023年にとびかん(東京都美術館)で開催されていた展覧会は写真撮り放題でした。
東京の西でくもん教室を開いているすずきです。
皆さんは、もし一つだけ他の誰よりも優れている能力(特技)を持っているとしたら、それを使って何をしますか。
例えば世界一の計算力を持っていたら、瞬間で世界各国に移動できる能力を持っていたら、相手のこころを読み取る能力を持っていたら。
このお話しは、ほうきで空を飛ぶことができる魔女のお話しです。

『魔女の宅急便』は「くもんのすいせん図書」に選ばれています。
私はくもん教室を始めてから、”くもんのすいせん図書”を知り、そこに紹介されている本を、日々楽しみながら、趣味を超えたライフワークとして読んでいますよ。

面白そうな本がたくさん紹介してあって、ゆうすけが、また勉強しないで本読んじゃうわね。
キキとジジはお互いにとって最高の相棒。
『魔女の宅急便』は、ジブリ映画で有名になりましたね。
ジブリ映画と原作は結構違うと言われています。
主人公のキキは13歳の女の子。相棒は黒猫のジジです。魔女のおかあさんは女の子が生まれると、同じ時期に生まれた黒猫をさがしていっしょに育てるそうです。
基本的にキキがポジティブだとすると、ジジはネガティブ役です。この組み合わせがすごくいいですね。
キキがひとり立ちするときの会話です。
「どうなることやら。心配だね。決めたらすぐの人だから。」
「あら、そう。あたし、心配なんてしてないわ。心配はおきたときにすればいいのよ。今は、贈りもののふたをあけるときみたいにわくわくしてるわ」
『魔女の宅急便』 角野栄子 福音館書店 P18
自分の中にいる肯定と否定の感情が対話しているとも言えるし、自分が気づいていなところを相方が補ってくれているとも言えます。
こんな相棒がいたら最高ですよね。
おすそわけで生きる
キキはコリコという街に来て、おソノさんというパン屋のおかみさんの代わりに届け物をした経験から、運送屋さんをすることに決めます。そのときのセリフがこれです。
「でも、そんな小さなものまで運ぶとすると、料金を決めるのがむずかしいわねえ。どうするつもり?」
「それでしたら、ほんのおすそわけでけっこうなんです」
「えっ、なに? それ」
おソノさんはききかえしました。「お、す、そ、わ、け、です。あたしたち魔女は、このごろではそうやって暮らしているんです。あたしたちができることでお役にたっていただいて、そのかわり、みなさんのものをすこしわけていただいて、こういうの『もちつもたれる』ってもいうんです」
『魔女の宅急便』 角野栄子 福音館書店 P67-68
「おすそわけ」とは辞書によると、「他人から貰った品物や利益の一部などを、さらに友人や知人などに分け与えること」という意味のようです。ただ、ここでは、自分が作ったものでお返しする意味で使われています。
この魔女の暮らし、究極の幸せ人生だと思いませんか。人のお役に立てる喜びを味わい、助けられた人は自分ができる精一杯のお礼をお返しする。この物語には、キキに対するお礼に、素敵なプレゼントがたくさん登場します。 私はキキのセリフから、今の時代であっても、別に魔女ではなくて我々人間でも全然できることだと思いました。お金をいただくことが当たり前になっている大人と違って、中学生や高校生は、普通にやっていることですよね。
人の役に立つ喜び!
キキのすごさには本当に驚かされます。
あるシーンで、「ねえ、キキ、お礼をもらった?」とジジに言われると、「何いってるの。あんな楽しいことをさせてもらって。このうえ何かもらうつもり?」と答えます。これにはジジも「そうだね」とうなずくしかありませんでした。
私は、人の生きる喜びって、「人の役に立つこと(うれしいこと)」そして「楽しむこと」なんだなとつくづく思いました。
このお話しは、依頼主は駅長さんで、実際に困っているのは楽団員の話しです。ほんの「おすそわけ」もなかったけど、もうキキは十分に幸せでした。
ここでふと、「『魔女の宅急便』の経済学」って本書けそうだなって思ってしまいました(笑)。
最後に、もう一度質問したくなりました。もし一つだけ他の誰よりも優れている能力(特技)を持っているとしたら、あなたはそれを使って何をしますか。
あなたが『魔女の宅急便』を読んだ後、何を思ったか、いつかぜひ聞かせてください。

保護者さまへ
ジブリ版の映画『魔女の宅急便』は何度もみたのに、私はすぐ忘れてしまう性格なので、あらすじを覚えていません。なので、原作との違いを知りたいと思い、Amazonプライムなどを調べ始めたら、ジブリ映画は、すべての映画配信サイトでみることができないことを知りました。BOOKOFFに行って買おうと思ったら、何と中古で4000円でした。ジブリブランドのすごさを改めて実感しました。テレビで繰り返し放映するチャンスを待つしかないようです。
ここで描かれる魔女の世界観は、「対価経済」の常識を打ち破るものです。対価はお金じゃなくて「おすそわけ」でいいのですから(持っているお金の「おすそわけ」でももちろんOKですね)。
ところが、丁寧に読み進めていくと、「おすそわけ」すらないお話しもあるんですね。でも、キキとジジは本当にしあわせそうです。
ある友人が私に「ギフト経済」ということをお話しして聞かせてくれましたが、キキはその見本だなあと思いました。
当ブログは、公文式教室を開設していた元指導者が、個人として執筆・運営しているものであり、株式会社公文教育研究会およびそのグループ会社(本部)とは一切関係ありません。



